会社は「運命共同体」ではありません

 「運命共同体」という言葉があります。成功するにしても失敗するにしても、栄えるにしても滅びるにしても運命を共にするグループを指す言葉です。きずなや連帯感を大事にする日本では特に、いつの間にか会社を運命共同体とみていることがあるかもしれません。

 

 会社で働くとなれば、皆が力を合わせるのは必要なこと、と言うよりも、当然のことでしょう。皆で協力して一つのことを成し遂げるために会社に人が集まるのです。そういう意味では会社は運命共同体と言えなくもありません。

 

 しかし、個人として考えれば、本来仕事とはお金を得るためにするもの、突き詰めていえば、自分のためにするものです。会社という組織に属して長くなればなるほど、わたしたちはそのことを忘れてしまいがちです。「自分はこの会社と生死を共にする」とか「自分にはこの会社しかない」とか思うようになってしまってはいないでしょうか?

 

 わたし自身も、以前に勤めていた会社を辞める時には少し抵抗を感じました。入社数年で転職したにも関わらずです。ですから入社十数年、数十年ともなれば、どれだけ会社を離れにくく感じることでしょう。

 

 しかし本当に会社と生死を共にしてよいのか、冷静に考えてみるとどうでしょうか?会社がなくなったときに自分も失業して、それでいいのでしょうか?

 

 「運命共同体」とはカッコイイ言葉ではありますが、会社との関係に使うにはふさわしいものではありません。会社と運命を共にするか、それとも会社を離れるかは自分で選ぶことができるのです。自分のために賢い決定をしたいものです。